研究課題/領域番号 |
10558002
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
冨樫 健二 三重大学, 教育学部, 助教授 (10227564)
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研究分担者 |
脇田 裕久 三重大学, 教育学部, 教授 (10024473)
増田 英成 国立療養所, 三重病院・小児科, 厚生技官
征矢 英昭 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (50221346)
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キーワード | 小児肥満 / 運動療法 / 食事療法 / レプチン / エネルギー代謝 / 体脂肪分布 |
研究概要 |
【目的】本年醗は減量プログラムに伴う肥満小児の体脂肪分布の変化、ならびにエネルギー代謝(基礎代謝量、DIT反応)との関連について明らかにすることを目的とた。 【方法】対象は単純性肥満児童9名(10.4歳、肥満度53.6%)とし、各個人毎の肥満の程度、病態に合わせた食事療法、運動療法(以下減量プログラム)を19週間にわたり行った。体脂肪分布は臍高部CT画像より皮下・内臓脂肪面積を定量し、また、起床直後に基礎代謝量を測定した。DIT反応の測定は基礎代謝測定後規定食を摂取し、30、60、90、120分後の計4回測定した。それぞれの測定は減量プログラムの前後に行った。 【結果】減量プログラム後、体重は6.6kg減少し、LBMは2.2kgの増大を認めた。皮下脂肪面積は276.3cm^2から164.9cm^2へ、内臓脂肪面積は62.9cm^2から38.3cm^2へ減少した。基礎代謝量は25.2kcal/kg/dayから26.2kcal/kg/dayへと有意に増大したが、DIT反応は30〜120分の平均値で減量プログラム前29.6kcal/kg/day、後 29.1kcal/kg/dayと変化は認められなかった。基礎代謝量、DIT反応とも皮下脂肪面積、内臓脂肪面積と強い相関を示したがどちらかが強いといった部位による差は認められなかった。 【結論】肥満小児における適切な減量プログラムは筋肉量の増大を促し、結果として基礎代謝量を増大させ、日々のエネルギー消費の面で効果的であることが示唆された。一方、体脂肪分布とエネルギー消費との関連では部位差は特に認められず、成人にみられるような内臓脂肪蓄積量の多い肥満者は基礎代謝量が低いといった結果とはならなかった。これらは小児期における内臓脂肪の蓄積量が成人肥満者に比べ明らかに少ないことに起因しているものと思われる。
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