研究課題/領域番号 |
10558004
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
永村 一雄 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (60138972)
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研究分担者 |
長井 達夫 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (00316001)
新平 鎮博 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (50171369)
深井 一夫 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (60156734)
鍋島 美奈子 大阪市立大学, 工学部, 助手 (90315979)
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キーワード | 床暖房 / 低温やけど / 模擬足 / 規準 / シミュレーション / 接触温度 |
研究概要 |
低温やけど防止のための安全規準を考える上で、床暖房システムの熱源方式の違いが重要になってきた。というのも、温水式では循環する温水の温度そのものを規定する方向を目指すため、接触面からの人体への熱流入量が制限され、結果として接触面温度に制限がかかることになる。一方、電気式では電気容量が明示されるものの、人体への流入熱量は人体内部温度と接触温度との差異のみで決まってしまうため、接触温度を規制するには表面温度をセンシングし、これを規制する以外に手がない。以上の現象は、本年度のシミュレーションで明らかにしたが、規準の設定を考えたとき、方式の違いによって異なる規準を導入するのは、整合性の面で劣るので、電気式の場合に限っては、表面温度を低減する意味で、熱拡散を十分行うための均熱板をどの位置にどの素材をどのくらいの厚さで配するかという最適配置問題を慎重に扱う必要が生じた。本年度は位置についてのみを考慮したシミュレーションを行ったが、実際は厚さと挿入位置が製作過程には重要なので、次年度はそうした復号要因について解明する予定である。 模擬足については、可搬性を重視し恒温槽を排したペルチェ素子型冷却システムを実装した、新模擬足の試作を行ったが、人体を模した温度制御系が不完全で、十分な実装に至っていない。主に、強制冷却の際の制御システムの変動防止に問題があることがわかった。 床暖房工業会などが加盟する業界基準、あるいは公の基準のひとつであるBL基準の次期改訂時の採用意見聴取など、本研究成果は、業界関係にも確実に周知され出している。北欧のスウェーデンで床暖房本来の低温放射を活かした24時間床蓄熱方式も運転実績が出始めているので、実際の長期運転期間での床接触温度や床表面温度が本研究の安全規準に抵触するか否かの確認・調査を行いたい。
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