平成10年度入学の1年生がHGS型分子模型の原子の区別と結合の長さ、角度、種類を短時間で認識し、理解できるような教材作成めざして、実際の分子模型ををデジタルカメラで撮影した映像をスライドショーとして映写し、学生に見せた。 その結果、黒板に図を描くよりも短時間にしかも効果的に説明でき、時間内にD体とL体の乳酸分子の模型を組ませることができた。 3年生の生物化学では、アミノ酸、オキシ酸、単糖類の対掌体を識別できるようにすることを目的として、コンピューター分子モデリングを用いて、L型とD型の分子を並べた画像、これらの分子の前後、左右、上下の方向の画像を写し出し、分子の形を効果的に示せる画像をいくつか選定できた。 さらに、分子模型の実験も生物化学の授業においてもコンピューター分子モデリングを見せられた経験のない5年生に対して、少人数で生体分子のモデルをコンピューター分子モデリングで作成する実験を試みた。これとは別に分子模型を手で組む実験も同じ5年生に対して実行した。先に分子モデリングソフトを使用したグループと先に分子模型を手で組んだグループとを比較すると、後者の方が分子の立体構造の把握の理解度が高いことが明らかとなった。
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