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1999 年度 実績報告書

学習障害児における視聴覚刺激時の内部空間の構成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10558015
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 誠  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10154858)

研究分担者 村田 和香  北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10200304)
工藤 信樹  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271638)
山本 克之  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10088867)
水戸部 一孝  秋田大学, 工学資源学部, 講師 (60282159)
キーワード内部空間 / 視聴覚刺激 / 学習障害児 / 空間知覚 / 上肢運動
研究概要

腋下の高さの半透明スクリーンに上方よりプロジェクタにより指示開始点P_0と視標の2点を投影し,スクリーン上をCCDカメラで撮影した.被験者はスクリーンを台に固定したHead Mounted Display(HMD)を介して見る.P_0を円心とした半径13cmあるいは10cmの円周上に8点あるいは5点の視標を配置し,その同心円周上にCCDカメラを本来の視線方向を0°として反時計回りに0°,15°,30°,45°,90°,180°の点に設置する.カメラを本来の視線方向と異なる位置に設置することにより,視覚と固有受容感覚間に矛盾を生じさせ,その状態でP_0から視標までの指示運動を行わせた.
健常成人の計測の際には視標を半径13cmの円周上の8点とした.カメラ設置角度が増加するにつれて軌跡が弧状にふくらむ傾向が見られたので,評価項目としてP_0から視標までに移動した距離を移動距離d,P_0と視標を結ぶ直線と軌跡のなす領域を軌跡のふくらみA,視標を指示するまでの時間を所要時間tとそれぞれ定義した.その結果,角度条件間の比較ではdが90°と180°条件において,Aは全条件間で,tは180°条件においてのみ有意な増加が見られた.
健常児の計測では,指示の容易さを考慮して90°までの5条件とした.また,視標は半径10cmの円周上の8点である.計測の結果,30°以上の条件においてセッション間の有意な減少がみられ,適応の向上が確認できた.また10歳児群は4〜6歳児群と比較して全カメラ設置角度条件において有意に小さなAとなり,30°条件においては4,5,6歳児群間で有意差が見られたため,加齢による空間知覚の向上が評価できる可能性が示された.
学習障害(LD)児の計測では,45°までの4条件とした.視標は半径10cmの円周上の5点である.計測の結果,LD児ではカメラ設置角度条件間でふくらみAの有意差が見られなかった.また,セッション間の有意な減少がみられず,3セッションでは適応が進まなかった.LD児は同年代の健常児より有意に大きなAとなることが分かった.以上のことからAの大きさの比較およびセッション間の減少傾向の有無によって健常児とLD児を弁別できる可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 對馬孝高,片野康生,高橋誠ら: "視点を変えた場合の視標に対する上肢指示運動の計測"電子情報通信学会技術研究報告. MBE98・136. 77-82 (1999)

  • [文献書誌] 片野康生,木村真弘,高橋誠ら: "視覚情報を用いた中点上肢指示運動における空間知覚"計測自動制御学会論文集. 36・5. 668-674 (1999)

  • [文献書誌] 片野康生,高橋誠: "固有受容感覚情報を用いた中点指示による空間知覚"計測自動制御学会論文集. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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