研究分担者 |
仁科 喜久子 東京工業大学, 留学生センター, 教授 (40198479)
猿橋 泉 (株)NOVA, 情報システム・コンピュータ事業本部, 取締役本部長
加藤 清方 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20185838)
小野 博 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10051848)
清水 康敬 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10016561)
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研究概要 |
本年度は以下のように、WWW上で自由に日本語の単文を学習できるシステムを開発し,そのシステムを評価した。 (1) 日本語学習の誤りの調査とルールベースの同定 日本語学習者の作文における誤りのタイプを調べるため,本学の留学生29名を対象に受身の作文テストとアンケート調査を実施した.テストの結果から,誤りを抽出し,受身文に関して誤りの種類を同定した.集めた261文(内120誤り文)のデータから,合計12カテゴリー,65種類,228個の誤りを分類した,この分類に基づいて本システムで扱う誤り処理用のルールを作成した. (2) WWW上で実行できるシステムの開発 自然言語処理ツールを用いて,誤り処理とフィードバック処理を加えて,従来のコンピュータ言語学習支援システムの問題点である,自由に入力することができない,誤りを処理することができない,などといった点を解決し,自由に入力でき,誤りの検出と適切なフィードバックを与える機能をもつ日本語作文学習支援システムを開発した. (3) 本システムのシステム評価実験の実施 留学生22名に実際に使用してもらい,本システム(Tシステム)とMITにおいて開発されたシステム(Mシステム)を比較した.評価の結果,入力方法,フィードバックメッセージ,システム全体において,Tシステム(自由な入力方式,入力に応じた適切なフィードバック)がMシステム(選択式の入力,入力に関係ない正解の表示)より優れている,という1%水準の有意差を見出した.
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