研究課題/領域番号 |
10558038
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 広明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (40205480)
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研究分担者 |
片平 昌幸 秋田大学, 医学部, 助教授 (90250860)
北島 宏之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (70311553)
中村 維男 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80005454)
鈴木 健一 宮城工業高等専門学校, 情報デザイン学科, 講師 (50300520)
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キーワード | 写実的画像生成 / グラフィックスハードウェア / ラジオシティ / レイトレーシング / 機能メモリ |
研究概要 |
本年度は、平成11年度に設計したラジオシティ・レイトレーシングエンジンボード(Thunder)の実装を行った。Thunderは、PCIインタフェースを有するプリント基板上に、20万ゲートまでの回路を実装可能なFPGAを2個と256MBのSDRAMモジュール4個(合計1GB)を実装している。FPGAには、エンジンの基本構成要素である、3次元直線発生ユニット、交差判定ユニット、2次光発生ユニットを実装し、各ユニットの動作検証、設計の評価・改良を行った。また、SDRAMには、オブジェクトメモリを実装し、512MB/sのメモリバンド幅で、オブジェクトデータを供給可能である。 Thunderの実装においては、Thunderの中での中心的役割を果たす交差判定ユニットの詳細設計に力を入れた。ハードウェアコストと性能のトレードオフから、交差判定ユニットには固定小数点演算器を採用した。ここで、固定小数点演算器による実装では、桁溢れによる画質の悪化が懸念されることから、固定小数点演算器でも精度が悪化しなアルゴリズムを新たに考案した。アルゴリズムの最適化の効果を確認するために、交差判定ユニットのソフトウェアシミュレータを開発し、画像生成実験により固定小数点演算器でも浮動小数点演算器に匹敵する画像を生成できることを確認した。最後に、交差判定ユニット、およびその他のユニットをThunderに実装し、動作を確認した。 また、Thunderの高性能化に向けて、計算エンジンの内部に複数の交差判定演算器を設ける並列化を提案し、シミュレーションにより性能評価を行った。その結果、交差判定処理ユニット内部で8並列の場合6.4倍、16並列の場合11倍、それぞれ性能向上することがわかった。特に、16並列の場合、同一クロック周波数で動作するPentiumII(400MHz)の20倍の性能を有する。ただしこの性能を実現するためには、100GB/secメモリバンド幅が必要であることもわかった。
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