研究概要 |
本年度は,以下のことを行った. ・コンポーネントに基づくソフトウェア開発におけるソフトウェア発展:コンポーネントに基づくソフトウェア構築では,コンポーネントを組み上げて作成したシステムの性能の予測が難しい.性能とは,システムの非機能的性質で,システムの応答速度や実行効率,メモリの使用効率等を指す.非機能的な性質は,機能的性質,つまりシステムの論理的で静的な性質が満たされた上で初めて議論可能である.機能的性質と非機能的性質の2つの側面に着目し,その2つの側面がコンポーネントに基づく代数仕様の枠組みを使って、うまく扱えることを示した。 ・高信頼コンポーネントソフトウェア開発および支援ツール:コンポーネントを組み合わせてソフトウェアを開発する方法の信頼性を高めるためのコーディネーションモデル(ソフトウェアアーキテクチャ)として「木アーキテクチャ」を提案した.木アーキテクチャの仕様記述には,詳細化検証の自動化が容易である射影型振舞仕様を用い,これにより,詳細化検証の自動化のみならず,コネクタの自動生成も可能となる.さらに,この発方法を支援するツールを設計し,ツールのプロトタイプを作成し,いくつかの例題を用いて開発方法および支援ツールの妥当性を確認した.
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