研究概要 |
(1)ボリュームレンダリング専用並列計算機ReVolver/C40の開発科学技術計算結果や医療計測機器から出力されるボリュームデータの可視化を行い,対象物の解析を支援するための専用並列計算機ReVolverのプロトタイブであるReVolver/C40の実装を行い,その評価を行った,ReVolver/C40は視線生成ステージ,ピクセル値計算ステージ,シェーデイングステージの3つのステージと,それらをまとめてシステム全体の制御を行うシステムコントロールユニットで構成するが,評価の結果,画面生成速度はピクセル値計算ステージのスピードに依存することがわかり,ボリューム空間の大きさを512^3voxel,フレームの大きさを512^2pixel,ピクセル値計算ステージのプロセッサ台数を512台としたときに,システム周波数25MHzで1.16frames/sという描画速度が得られることがわかった.(2)制御駆動とデータ駆動を融合したプロセッサ・アーキテクチャの研究スーパースカラの動的命令スケジューリングにはさまざまな利点があるが,VLIWにくらべてサイクル・タイムを短縮しにくいという欠点がある.そこで我々は,制御駆動とデータ駆動を融合した新しいアーキテクチャDualflowを提案した.Dualflowは,制御駆動型と同様に制御の流れを持つが,データ駆動型と同様にレジスタを持たず,命令間のデータの受け渡しを陽に指定する.この結果,スーパースカラ的な動的命令スケジューリングをVLIW並のサイクル・タイムで実現することができる.一方でDualflowは,一時的なデータに対して強く最適化されており,一時的でないデータの扱いに対して難がある.本年度は,予備的性能評価として,SPEC95ベンチマークに対してレジスタの生存期間と参照回数を調べた.その結果,通常のプログラムにおいても一時的でないデータの割合は十分に低いことが分かり,Dualflowが成功する確率は十分に高いと判断できる.また,より詳細な評価を行うために,コンパイラとシミュレータの実装を開始した.
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