研究分担者 |
中田 明夫 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (60295839)
安本 慶一 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (40273396)
大蒔 和仁 通産省電子技術総合研究所, 情報アーキテクチャー部, 部長
岡野 浩三 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70252632)
東野 輝夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80173144)
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研究概要 |
LOTOSは並行,選択,割込などの構文とマルチランデブと呼ばれる高度な同期機構.(与えられた同期条件が成立するときのみ同期やデータ交換を行う機構)を持つ分散システム用の形式記述言語である.本研究では,複数計算機間でのマルチランデブをサポートするLOTOSコンパイラの開発と評価を行う.今年度は,実現方式を検討した後,基本機能を実装し,コンパイラの試作を行った. 複数計算機間でのマルチランデブ機構の実現めためには,同期を求めるプロセス群の・中から同期条件を満足するプロセスの組を効率よく決定する機構や,一つの計算機上で発生した割り込みを他の計算機のプロセス群に公平に通知する機構などを実現する必要がある.本研究では,放送機構を持つネットワークモデルに対する効率のよいマルチランデブ機構の実装法を考案し,その手法に基づいたマルチランデブ機構を採用したLOTOSコンパイラを試作した.また,目的コードの生成や簡単な性能評価を行い,コンパイラの性能改善のための調査・研究を行った. 一方,マルチメディアシステムなどの実装ではI/O処理(マルチメディアデータの入出力処理)の効率化が重要である.そこで,試作したコンパイラでは,マルチスレッド機構におけるI/O処理を並列に実行できるように改良することにより,効率よくI/O処理を行えるようにした. これらの研究成果については,情報処理学会論文誌やIEEE主催第5回実時間計算システムに関する国際会議(RTCSA'98)などで発表した.
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