研究分担者 |
安本 慶一 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (40273396)
岡野 浩三 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (70252632)
東野 輝夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80173144)
山口 弘純 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (80314409)
中田 明夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (60295839)
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研究概要 |
本年度は,昨年度までに作成してきたLOTOSコンパイラの応用として,W3C(WorldWide Web Consortium)で規格化されたSMILにQoS制御機能を追加したQOS-SMILを定義し,QOS-SMILで記述されたマルチメディアシステムの動作仕様をLOTOS仕様に変換しコンパイル・実行する方法を考案して,システムを実装し評価した. QOS-SMILでは,システムのリソース不足時に,優先度の低いメディアを代替メディアに動的に切替えることにより,優先度の高いメディアの品質はなるべく維持して欲しいとか,動画と音声のずれを指定範囲内に抑えて欲しいといった要求が指定できる.考案した実装法では,QOS-SMIL記述を,動画,音声など個々のメディアの再生動作を記述した主プロセスと,メディアスケーリング,メディア同期などのQoS制御のみを記述した制約プロセスからなるLOTOS記述に変換し,それらを並列に同期実行させるという,制約指向スタイルを利用して実現する.マルチメディア処理実行のために,画像や音声データのデコード・表示/再生を行うためのプリミティブをC言語で作成し,コンパイラが生成する目的コードから呼び出せるようにした. 提案方式によりいくつかのQOS-SMIL記述から目的コードを生成し実行した結果,システム資源の動的変動を吸収し各ユーザの指定したQoS要求通りにメディアの再生が行え,また制約指向スタイルに起因する実行効率の低下も少ないことを確認した.提案する実装法では,制約指向スタイルを用いることにより,機能拡張に伴う処理系変更などにかかる手間が大幅に少ないため,QOS-SMILへ新たに追加されるQoS機能を容易に実現することができる.
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