研究分担者 |
堤 康弘 オムロン株式会社, 新事業開発センタ, 主事(研究職)
島田 伸敬 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10294034)
久野 義徳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10252595)
白井 良明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50206273)
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研究概要 |
本年度は,まず従来のプラニングコストを考慮したプラニングアルゴリズムをベースに,プラニングと行動を並列にスケジューリングすることにより,ロボットの行動をより効率化することを研究した.並列性をプラニングしながらの行動(Acting While Planning)と行動しながらのブラニング(Pla11ning While Acting)の2つに分けて考えることを提案し,それら両方の並列スケジューリングを行う,プラニング/スケジューリング手法を構築した.本手法を,まず静的環境でロボットを誘導する問題に適用し,並列スケジューリングを行わない場合と比較して,平均的に15%程度の効率向上が得られることがわかった. このプラニング/スケジューリング手法を動的環境に適用するための準備として,動的障害物の動きの不確かさの確率的モデル化と,そのモデルを用いたロボットの行動計画手法を研究した.移動障害物の動きをモデルを基に予測し,最適な方向へ移動しながらさらに認識とプラニングを行うことにより,移動障害物の不確かさが大きいときには経路を決定せずに少し動きながら様子を見,不確かさが減ってきたら最適な経路を決定し移動する,といった適応的な行動が実現できることがわかった. また,移動ロボットがランドマークを視覚で認識して位置を確認しながら移動する問題で,安全かつ効率の良いランドマーク観測位置を自動的に決定する手法を開発した.視覚と行動の不確かさのモデルと地図情報を基に,ロボットが安全に移動できる領域をオンラインで計算し,ロボットが安全に目標軌道に復帰できる限りできるだけ長い距離を進む,という戦略で観測位置を決定する.実ロボットによる実験で手法の有効性を確認した.さらに,ランドマーク候補をあらかじめ与えておくのではなく,観測結果から自動的にランドマークを抽出する手法も研究した. 一方,超音波センサおよび実時間ステレオ視覚を備えた移動ロボットを製作し,未知環境で障害物を認識しながら移動できることを確かめた.
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