研究分担者 |
島田 伸敬 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (10294034)
久野 義徳 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10252595)
白井 良明 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (50206273)
勞 世 オムロン株式会社, 技術本部・IT研究所, 係長
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研究概要 |
まず動的環境におけるロボットの行動の評価について,ある行動をとったときの将来の状態予測モデルと,その状態を行動の目的に応じて評価するモデルを生成し,それらを段階的に適用することにより各行動の評価を行う手法を研究した。これにより例えば,現在の観測のコストとそれが将来の行動に与えるメリットとがトレードオフの関係にあるような、動的環境でのロボットの行動決定問題を解くことができた. 次に,状態予測モデルの一つとして前年度に開発した,動的障害物の動きの不確かさモデルを拡張した.以前は障害物の速度の不確かさのみを考慮していたが,経路の選択の不確かさも考慮するようにした.これにより,障害物の経路が未知の場合でも,その動きを観察しながら移動し,相手の動きが定まったらそれに応じて自分の経路を適応的に決定する行動が実現できた。 また,ロボットがランドマークを視覚で認識して自己位置を認識しながら移動する問題で,昨年開発した観測プラニング手法を二つの点で拡張した。まず,安全な移動の実現における各ランドマークの重要度を定義し,それを基にできるだけ重要度が高くなるように視線方向を決定する手法を開発した.次に,環境中の視覚特徴が照明条件や観測位置が変化しても安定して認識できるかどうかを評価する基準を定義し,それを満たす視覚特徴をランドマークとして自動抽出する手法を開発した。これらの拡張より移動の安全性と効率が向上した. 一方,昨年度から製作中の移動ロボットの機能拡張を行った.具体的には多地点での超音波センサデータから障害物地図を作成する手法,視覚認識の信頼性を考慮した地図作製手法,全方位視覚を用いた移動障害物の認識手法を開発し,実ロボットを用いた実験によりその有効性を確かめた.
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