研究分担者 |
柴田 史久 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80314425)
大原 剛三 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30294127)
馬場口 登 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30156541)
山岡 正輝 株式会社NTTデータ, 技術開発本部, 研究員
淡 誠一郎 大阪学院大学, 知識情報学部・設置設備準備室, 助教授 (00207276)
|
研究概要 |
本年度は、標記研究課題に関して次のような研究成果を得た. まず、メディア処理の応用範囲の拡張に関する研究成果である.その一つは,既に担当者らが開発した,機械の CAD モデルからその機械の組立手順を示すアニメーションと説明文の自動生成システムはメディア統合の具体例として一応の評価を得ているが,機械組立は自動化が進んでいるため,現実の社会からの要請にやや欠ける嫌いがある.これに対し,機械の修理・点検は依然として手作業の段階に留まっているという現実を考慮し,着想は同様ながら対象を機械部品交換に置き,そのナビゲーションシステムを開発した.さらに3次元構造物内のパーソナル案内システムの実現を目指し,試作システムを作成した.これらはいずれも,各メディアは固有の情報内容に対し人間の理解を促進することができるというメディアの基本特性を有効利用する取り組みである.他の一つは,メディアの変換による情報量の変化を活用する研究の成果である.電子図書館では,文書の検索可能性および蓄積容量の削減とともに原形の保存が必要になる.これらの条件を満足するため,文書画像の記号メディアへの復元可能な変換を試みた.その結果,これまで困難とされてきた書体,字体,字種の識別を可能にする手法を開発した.書体認識に関しては特許の申請中である. 次いで,認識・理解への応用に関する成果としては,テレビ映像のクローズド・キャプションようにテキスト化された情報を有する複合メディアの意味に基づくセグメンテーションがある.テキスト情報で与えられる意味標識をガイドとして,トップダウン処理により画像・音情報を高精度で認識・理解できる手法を開発し,その意味単位でセグメンテーションが可能であることを示した.
|