研究概要 |
1. GAを用いた曲線・曲面の最適セグメンテーションの研究 本年度は、曲線・曲面のセグメンテーションの問題を、スプライン関数の節点の決定問題と見なして、その最適な数と位置を自動的に決定する方法を研究開発した。その成果は、平成11年3月開催の国際会議「Shape Modeling International'99」で発表した。さらに、それを多重節点も扱えるように改良(すなわち、尖ったところや不連続なところのある形状も扱えるように改良)したものを研究開発した。この研究により、GA(遺伝的アルゴリズム)が節点の決定に有効であることを示した。 2. 曲面における視覚言語の抽出研究 本年度は,まず現行CADシステムにおける曲線創成・変形方法の問題点を見いだした。次に,それを解決するためデザイナーの描いた曲線を分析して,造形における視覚言語の創出・体系化を行った。さらに,自然物や人工物に用いられている曲線を採取・分析中であり,デザイナーがいかに視覚言語を組み合わせているかを研究中である。加えて,視覚言語を用いた曲線創成システムのプロトタイプを開発中である。この成果の一部は、形の科学会誌(Vol.13,No.3,1999)等へ掲載された。 3. 3次元モデリングに関する研究 リバース・エンジニアリングの技術要素の一つである3次元点群データの形状モデル当てはめについて研究した.形状モデルとして,パラメータ化に球座標を,基底関数にBスプラインを用いた.さらに,線形方程式の係数行列を正則化する滑らか拘束を組み合わせることにより,部分的に欠損している3次元点群データの当てはめも可能にした.計算機による生成データで本形状モデルを精度評価(データの欠損率と当てはめ精度の関係など)し,実データとして左心室の形状モデル当てはめに適用した.
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