研究課題/領域番号 |
10558065
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
プラズマ理工学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (80236108)
|
研究分担者 |
緒方 潔 日新電機株式会社, 先端技術研究開発部, 主席研究員
熊谷 正夫 神奈川県産業技術総合研究所, 技術支援部, 専門研究員
三宅 正司 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40029286)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | ヘリコン波プラズマ / 活性化反応場 / 反応性高密度プラズマ / 超硬質窒化物 |
研究概要 |
ヘリコン波励起プラズマの生成には3巻のヘリカルアンテナ(方位角モードm=0)を使用し、数mTorrのアルゴン・窒素中において1E12〜1E13cm-3の高密度プラズマが生成可能であることを明らかにした。負バイアスを印加したターゲットを配置することにより、金属原子をスパッタリングにより供給することが可能な物理蒸着系を構成し、主として化学量論組成(N/C=4/3)の達成を第一目標において窒化炭素薄膜の合成実験を行った。基板への原子状窒素の供給密度が高い条件で成膜するほど窒素組成比は向上し、最も高い値は目標値に近いN/C=1.3に達することが明らかとなった。フーリエ変換赤外吸収分光の結果から高分子様構造であるCH結合ないしNH結合も形成されており、硬質化を阻害する要因であることが示唆された。この高分子様の構造は、高強度紫外線照射よりも成膜温度の上昇により効果的に減少し、薄膜硬度の向上にも寄与することが明らかとなった。窒化炭素薄膜の機械的特性についてナノインデンテーション法を用いて評価し、基板への負バイアスの印加ないしは基板加熱により薄膜の硬度および弾性率が向上し、最高で20GPa程度の硬度を示すことが明らかとなった。また、高周波電力供給方式の最適化と金属原子供給の問題を調べるため、内部アンテナ方式の誘導結合放電による金属スパッタについて実験を行い、高周波電力給電方式の最適化により静電結合の抑制が可能であることを明らかにした。さらに、超硬質物質の成膜プロセスの開発において極めて重要な応力緩和法を調べるため、イオン衝撃を利用した成膜プロセスによる材料学的検討も併せて行った。膜成長に伴うc-BN:TOモードに対応する赤外吸収ピークは高波数側へシフトし、中間層により応力緩和を施した場合でも、微視的には圧縮応力が蓄積していることが明らかとなった。
|