研究課題/領域番号 |
10558069
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀池 寛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20252611)
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研究分担者 |
井上 正二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10203233)
宮崎 慶次 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40029202)
飯田 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60115988)
宮本 斉児 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50294046)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 負イオン源 / 中性化効率 / プラズマ / 核融合 / 加熱 / 磁気多極型イオン源 / バケットイオン源 / 電離度 |
研究概要 |
高エネルギーのビーム加熱用に使用される負イオン源に基づく中性粒子入射装置では、負イオンビームの中性化にプラズマを用いることにより、イオンビームの原子ビームへの中性化効率を向上させることができる。ガスによる場合は59%であるのが、プラズマでは70%以上が達成可能で、それはガスによる負イオンの最外殻の電子の剥離に続き、さらにもう1個の電子も剥離され正イオンとなる反応を、プラズマの場合は抑制できるからである。このためには電離度のできるだけ高いプラズマが必要である。 電離度の高いプラズマを得るには、プラズマの閉じ込め特性の優れた容器を用い、できる限り低ガス圧下で放電させプラズマを生成することが肝要で、そのため直径310mmで全長1400mmの円筒型のカスプ磁場閉じ込めを採用した放電容器を作成し、プラズマ生成実験を行った。ガスには水素、アルゴン、クセノンを用いフィラメントによるアーク放電にて放電特性とプラズマ閉じ込め特性を研究した。その結果、放電室のガス圧力が約0.2Pa以上の場合はプラズマ密度は単位立法センチメートルあたり10の11乗個以上と高いものの電離度は1%以下と低いこと、またガス圧力が0.2Pa以下の領域では圧力を下げると共に急に電離度が上昇することが判った。しかし、0.1Pa以下の領域ではプラズマ放電の維持が困難で容器のプラズマ閉じ込めの性能が最低運転可能圧力を決定する。本研究では0.03Paの圧力が放電可能圧力の下限で、そのとき水素で1.3%、アルゴンで3.2%。クセノン8%の電離度が得られた。また限界圧力付近でプタズマ閉じ込め性能を向上させるとプラズマ密度が高くでき、電離度も高くなることが判り、10%を超える電離度で十分な密度を有するプラズマ中性化セルの実現の見通しを得た。
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