研究概要 |
当該研究の代表者等は日本原子力研究所のJFT-2M装置にCT入射装置(装置名:HIT-CTI,姫路工大製作)を設置しトカマクへのCT入射実験を実施してきた。JFT-2Mのオーミック加熱プラズマ及び中性粒子入射加熱プラズマへCT入射を行い,プラズマの密度変化,閉じ込め特性の変化等を調べた。また,JFT-2Mの閉じ込め磁場がCT入射装置の先端部まで漏れ出しているため,この磁場がCTの減速を引き起こし,CT入射に大きな影響を与えることを明らかにした。 さらに,姫路工大においては,外部磁場によるCT入射への影響の軽減を目的として,外部磁場中を走行するCTの挙動調査の実験を行ってきた。平成10年度には,一対の鞍型コイル(当該科研費で製作)を用いてCT移送管に一様な平行磁場を垂直に与え,鎖交磁束の存在する移送管の中を進行するCTの挙動を調べた。平成11〜12年度の実験では,磁気探針群,静電探針群及び微小電流コイルによりCT内の磁場,電流及び電子密度の空間分布の時間変化を測定した。この実験において,CTが鎖交磁束を横切るときCT内に誘導電流が誘起され,その誘起電流と外部磁場とのローレンツ力によってCTが大きく減速されることを明らかにした。また,同時にCTの進行方向uと外部磁場Bの両方に垂直な方向へシフトすることを観測した。CTは,同軸ガンの内部電極が負極性にあるときは-u×Bに,正極性のときは+u×Bにシフトすることを明らかにした。 また,平成10年度には核融合科学研究所のLHD装置に設置が予定されているCT入射装置(装置名:SPICA)の設計,建設に携わり,平成11年度にCT生成と初段加速実験を開始した。さらに,平成12年度には加速用電源を設置し,2段加速CT入射実験を開始した。LHD装置おけるCT入射では,CTの5m以上の長距離移送が必要であり,この長距離移送を重要課題として実験を行っている。 一方,外部垂直磁場へのCT入射について,3次元計算機シミュレーションを実験に近い条件で実施し,実験との比較をしながらCTの磁場中を進行するCTのダイナミックスを明らかにした。
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