研究課題/領域番号 |
10558072
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
児玉 竜也 新潟大学, 工学部, 助教授 (60272811)
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研究分担者 |
藤井 芳夫 日揮化学株式会社, 開発研究所, 研究員
北山 淑江 新潟大学, 工学部, 教授 (70018472)
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キーワード | 集光太陽熱 / 天然ガス / ソーラー燃料 / メタン改質 / メタンカップリング / エネルギー転換率 / 水分解 / 金属酸化物 |
研究概要 |
本研究は、1000℃以下での太陽熱/化学エネルギー転換を目的として、金属酸化物を反応媒体とする、下記の1、2の2つの熱化学反応の検討を行うものである。 1 メタン改質/水分解サイクル CH_4+M_xO_y→M_xO_<y-m-n-1>+(1-n)CO+nCO_2+(2-m)H_2+mH_2O(1段目) M_xO_<y-m-n-1>+(m+n+1)H_2O→M_xO_y+(m+n+1)H_2(2段目) 今年度は反応媒体として高活性のNi_<0.39>Fe_<2.61>O_4/ZrO_2担持体の開発に成功した。以前に開発したWO_3/ZrO_2の反応温度1000℃を900℃に引き下げることができ、サイクル特性もよい。1段目の反応のメタン転換率は40〜60%であり、生成合成ガスの成分はほとんどCO+水素であった。この合成ガスはメタノール合成に適したH_2/CO比=2を持っており、サンベルト地帯から太陽エネルギーを液体燃料にして日本に輸送するという、NEDOで推進中のソーラーフューエル開発事業に適用できると考えられる。2段目の水分解反応ではほぼ純粋の水素を得ることができ、燃料電池の燃料として容易に利用することができる。 2 メタンカップリング/水分解サイクル 2CH_4+M_xO_y→M_xO_<y-2>+C_2H_4+2H_2O(1段目) M_xO_<y-2>+2H_2O→M_xO_y+2H_2(2段目) 昨年度末から上記の2段階法を、酸化物にメタン/水蒸気混合ガスを同時に流通することによってサイクルさせ、1段階プロセス化することを検討し、高活性触媒としてSn-Fe酸化/SiO_2触媒を開発した。今年度はその最適反応条件を詳細に検討した。反応温度900℃でC_2選択率87〜94%を得ることができ、C_2転換率は低かったが(4〜5%)、C_2生成速度としては、従来のメタンの水蒸気酸化によるC_2生成触媒と比較して、最高速度が得られた。
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