研究課題/領域番号 |
10558072
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
エネルギー学一般
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
児玉 竜也 新潟大学, 工学部, 助教授 (60272811)
|
研究分担者 |
藤井 芳夫 日揮化学株式会社, 開発研究所, 研究員
北山 淑江 新潟大学, 工学部, 教授 (70018472)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
キーワード | 集光太陽熱 / 天然ガス / ソーラー燃料 / メタン改質 / メタンカップリング / エネルギー転換 / 水分解 / 触媒 |
研究概要 |
本研究は、1000℃以下で集光太陽熱等の未利用熱を化学エネルギーへ高効率転換することを目的とし、天然ガス(メタン)を、エネルギー的に高位の燃料に転換する吸熱型の熱化学サイクル反応の検討を行うものである。具体的には、金属酸化物(反応性セラミック)を媒体とする下記の2つの熱化学サイクルで高活性・高選択性を示す反応性セラミックの開発を行う。研究成果は以下の通りである。 1. メタン改質/水分解サイクル CH_4+M_xO_y→M_xO_<y-m-n-1>+(1-N)CO+nCO_2+(2-m)H_2O(1段目:高温吸熱反応) M_xO_<y-m-n-1>+(m+n+1)H_2O→M_xO_y+(m+n+1)H_2 (2段目:低温発熱反応) 高活性セラミックとしてWO_3/ZrO_2とNi_<0.39>Fe_<2.61>O_4/ZrO_2の開発した。特にNi_<0.39>Fe_<2.61>O_4/ZrO_2では900℃以下で良好なサイクル反応を行うことができ、メタン転換率は40〜60パーセントであった。生成合成ガスはほぼメタノール合成に適したH_2/CO比=2を持っており、サンベルト地帯から太陽エネルギーをメタノールにして日本に輸送するという、NEDOで推進中の研究開発事業に適用できると考えられる。2段目の水分解反応で、ほぼ純粋の水素を得ることができ、燃料電池で燃料として容易に利用できる。 2. メタンカップリング/水分解サイクル 2CH_4+M_xO_y→M_xO_<y-2>+C_2H_4+2H_2O (1段目:高温吸熱反応) M_xO_<y-2>+2H_2O→M_xO_y+2H_2 (2段目:低温発熱反応) 高活性セラミックとしてSnO_2/Fe_3O_4/SiO_2を開発した。さらに上記の2段階法を、酸化物にメタン/水蒸気混合ガスを同時に流通することによって900℃でサイクルさせ、1段階プロセス化することに成功した。C_2収率は4〜6%であったが、C_2選択率87〜94%を得ることができ、C_2生成速度としては、従来のメタンの水蒸気酸化によるC_2生成触媒と比較して最高速度が得られた。
|