研究課題/領域番号 |
10558082
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
東 信彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70182996)
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研究分担者 |
中村 奨 長岡工業高等専門学校, 助教授 (10217854)
東 久美子 国立極地研究所, 助教授 (80202620)
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60176378)
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キーワード | Nd / YAGレーザー / アブレーション / レーザー誘起蛍光 / 微量分析 / 氷 / ナトリウム / 色素レーザー / 雪氷コア |
研究概要 |
本研究によって、(1)氷試料を溶融することなく、低温に保ったまま、アブレーションのためのNd;YAGレーザーを照射し、氷試料の極微小量を気化させるための試料保持部と、(2)気化した試料を、真空に保ったレーザー照射部に導入し、色素レーザー照射により発生するレーザー誘起蛍光を測定する、測定部とからなる、レーザー照射装置を開発し、氷試料中のナトリウムのレーザー誘起蛍光法による検出を可能にした。 所定濃度のNaClを溶解した純水で作成した氷試料に、YAGレーザーを照射してアブレーションを起こし、さらにパルス色素レーザーを照射してナトリウムDI線を計測したところ、試料の消費量が1mm^3以下で、スペクトルを計測できた。さらに装置の改良により散乱光強度を下げ、1ppmオーダーの濃度の検出を可能とした。従来法に比して極微少量で検出可能であり、位置分解能も1mm以下が達成可能であることが確認された。低濃度NaCl含有氷は改良引き上げ法により作成したが、同一濃度であるはずの試料に対して、測定したレーザー誘起蛍光強度は変動が大きく、正規分布からも外れていた。これは、試料中でNaが偏析していることを示唆している。従って今後、より低い濃度での検出を目指し、かつ良好な検量線を得るためには標準試料として偏析のない氷試料を作成することが課題となる
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