研究課題/領域番号 |
10558087
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
岡崎 正規 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (00092479)
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研究分担者 |
安藤 哲 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (50151204)
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キーワード | 熱帯泥炭 / 野焼き / 炭素 / 窒素 / 燃焼温度 / ガス状物質 / 粒子状物質 / プレカラム |
研究概要 |
本研究の目的は、熱帯泥炭地域の野焼きによって発生するガスおよび粒子状物質の分離定量法を確立し、人体への直接的な影響、航空機の飛行障害を未然に防止するとともに、熱帯泥炭をこれ以上拡大させない方策を提言することにある。 熱帯泥炭は、この層厚から、Tropical deep peat soilsとTropical shallow peat soilsとに類別される。熱帯泥炭試料をマレーシア、インドネシアおよびタイから採取し、風乾後、2mm篩を通過させ、保存した。分析直前にめのう乳鉢で粉砕し、分析試料とした。一部の試料については、0.0045、0.0075、0.149、0.21、0.5、1mm篩で分画した。 Tropical deep peat soilsに含まれる炭素および窒素含量は、それぞれ499-673gkg^<-1>、12.3-25.5gkg^<-1>の範囲にあり、大部分が熱帯低湿地林由来の木質泥炭で、炭素/窒素比(C/N比)は、21.0-51.9で、窒素含量に比べて、炭素含量が著しく高いものであった。一方、Tropical shallow peat soilsの炭素および窒素含量は、265-533gkg^<-1>、5.70-20.8gkg^<-1>であり、C/N比は18.4-46.5で、その一部は河成堆積物を混入しているために、Tropical deep peat soilsと比べ、炭素含量は低かった。分画されたTropical deep peat soilsでは、C/N比にその特徴が現れた。 熱帯泥炭中には、海水中に多量に含まれている塩化ナトリウムなどの塩素を含む物質が存在しており、熱帯泥炭の燃焼にともなって発生するガスおよび粒子状物質に影響を与えると考えられる。次年度には、熱帯泥炭の熱焼によって発生する塩素化合物も含めたガスおよび粒子状物質の分離、定量法を確立する予定である。
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