研究課題/領域番号 |
10558115
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
石渡 喜一 財団法人 東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 主任研究員 (50143037)
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研究分担者 |
梅垣 宏行 名古屋大学, 医学部, 医員
千田 道雄 財団法人 東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 研究室長 (00216558)
井口 昭久 名古屋大学, 医学部, 教授 (20109763)
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キーワード | ドパミンD2受容体 / 遺伝子導入 / ポジトロン断層法 / アデノウィルス / ラクロプライド / オートラジオグラフィー / MRI / C-11 |
研究概要 |
1.基礎技術として、^<11>C-racloprideの新規合成法を見いだした。また、^<11>-リガンドを用いる定量的ARG解析法を確立した。 2.正常ラット脳およびキノリン酸注入による線条体D2受容体変性モデル脳のドパミンD2受容体を3つの^<11>C標識リガンドを用いてPETにより画像化し、それらの特徴を明らかにした。受容体変性を行動学的指標により確認したラットのPET測定により、^<11>C-racloprideのみがその変性を評価できることがわかった。しかし、ex vivoとin vitro ARGではいづれのリガンドでもD2受容体の変性が示され、in vivoでの測定とは大きくことなった。 3.ラット脳に対するPETの分解能を補い、解剖学的情報を明らかにするため、ラット脳の形態的MRI画像とPET画像を重ね合わせる技術を開発した。キノリン酸障害のD2受容体のPET画像は、MRI画像上の障害によく一致し、方法の妥当性が証明された。 4.正常ラットの脳線条体にドパミンD2受容体遺伝子を組み込んだアデノウイルスを移入し、^<11>C-raclopride、^<11>C-nemonaprideと^<11>C-N-methylspiperoneを用いてPET測定したところ、D2受容体の発現を確認できた。この発現はD2受容体に対して選択的・特異的な結合であり、また2週間後には正常レベルに戻り、発現が一過性であることが示された。この発現は、ex vivoとin vitro ARGによっても確認することができた。 5.本方法論は、今後の遺伝子治療の基礎的臨床的研究への応用が期待される。
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