研究課題/領域番号 |
10558116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 克也 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (70029966)
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研究分担者 |
奥村 正文 日本シェーリング(株), 研究開発本部, 探索室主任
江田 英雄 島津製作所, 基盤技術研究所, 主任
杉田 義郎 大阪大学, 健康体育部, 教授 (50127239)
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キーワード | ヘモグロビン / ミオグロビン / シトクロム酸化酵素 / 血流 / 酸素濃度 / てんかん発作 / 頚動脈 / 脳機能 |
研究概要 |
700〜1,200nmの近赤外光は頭蓋骨をを透過する上、ヘモグロビン(Hb)やミオグロビン(Mb)などのへム蛋白質やシトクロム酸化酵素a,a_3の銅蛋白質はこの波長範囲に吸収帯を持つ。この性質を利用して690nm、780nm及び805nmの半導体レーザー光の吸収を測定しCT画像を作成する本近赤外線C丁装置では脳内の血流や酸素濃度、神経活動などが測定可能である。しかし、改良前での本装置では血液をHbを含まない人工血漿に置換することによってしかこれらの測定が行えなかった。そこで、今回は人工血漿に置換することなく測定出来るか否かを検討する目的で、先ず脳内へ血液を供給する重要な動脈である総頚動脈のうち、一側(右側)のみを結紮し脳内の酸素濃度をoxyHbとdeoxyHbの解析により測定した。その結果、右側の総頚動脈の結紮は右脳の酵素濃度を低下させることを示すCT画像が得られた。このことから本装置を用いて人工血漿に血液を置換することなく、酸素濃度の変化を測定出来ることが出来ることが明らかとなった。次いで、本装置によるてんかん発作焦点を同定するために、てんかん発作を引き起こすPentylenetetrazole(PT)の末梢投与時の脳の血流変化の測定を行った。その結果、てんかん発作を起さない量のPT(10mg/kg)の末梢(腹腔内)投与は脳内の血流を変化させなかったが、てんかん発作を引き起こす量のPT(40mg/kg)の末梢投与は脳内のある部位を中心とした範囲の血流を増加させた。この血流の増加部位がてんかん発作の焦点である可能性があるので現在その局所の精査と脳波を用いた確認を行っている。
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