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1998 年度 実績報告書

配偶子へ分化可能な生殖細胞株の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10558118
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪府立母子保健総合医療センター研究所

研究代表者

松居 靖久  大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 部長 (40241575)

キーワード始原生殖細胞 / 精原細胞 / 配偶子 / 細胞株 / Bcl-2 / p53 / EG細胞
研究概要

本研究では、マウスおよびラット始原生殖細胞および精原細胞から培養細胞株を樹立して、さらにこれを配偶子まで分化させる系を確立することを目的とする。本年度はすでにマウス始原生殖細胞から樹立されている多能性細胞株であるEG細胞を、生殖隆起体細胞及び、減数分裂を誘起する事が知られているフォルスコリン及び減数分裂誘導ステロイド(MAS,meiosis activating sterol)存在下に培養後、腎臓皮膜下に移植して、EG細胞由来の卵形成の有無を検討した。その結果、卵形成は確認されなかったが細胞株によって、そのまま移植した場合には観察されるテラトーマ形成が起こりにくい場合があることが確認された。この結果は、培養に加えた因子が減数分裂の誘導には十分ではないものの、EG細胞の体細胞へのランダムな分化を抑制する効果があることを示唆している。また、新たな精原細胞株を樹立する目的で、当研究室ですでに得ているBcl-2を精原細胞で過剰発現するトランスジェニックマウス及びp53ノックアウトマウスの精巣を解離後、STO細胞フィーダーまたはタイプ1コラーゲンでコーティングした培養皿で2週間培養した。培養後、生殖細胞特異的なTRA98モノクローナル抗体で染色し、生殖細胞数の経時変化を調べたところ、p53ノックアウトマウスのものは正常マウスと変わらず2週間後にはほとんどすべての生殖細胞が消失したが、Bcl-2トランスジェニックマウスを培養したものでは正常マウスより10倍程度多い生殖細胞が観察された。この結果からBcl-2トランスジェニックマウスの精巣から、精原細胞株か樹立できる可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Matsui, Y.: "Regulation of germ cell death in mammalian gonads." APMIS. 106. 142-148 (1998)

  • [文献書誌] Matusi, Y.: "Developmental fate of the mouse germ cells." Int.J.Dev.Biol.42. 1037-1042 (1998)

  • [文献書誌] Hidai, C.: "Cloning and characterization of developmental endothelial locus-1: An embryonic endothelial cell protein that binds the αvβ3 integrin receptor." Genes Dev.12. 21-33 (1998)

  • [文献書誌] 大野裕子: "始原生殖細胞の増殖制御機構" 大阪府立母子保健総合医療センター雑誌. (印刷中).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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