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1999 年度 実績報告書

配偶子へ分化可能な生殖細胞株の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10558118
研究機関大阪府立母子保健総合医療センター研究所

研究代表者

松居 靖久  大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 部長 (40241575)

キーワード始原生殖細胞 / 精原細胞 / EG細胞 / Bcl-2
研究概要

本研究では、マウスおよびラット始原生殖細胞および精原細胞から培養細胞株を樹立して、さらにこれを配偶子まで分化させる系を確立することを目的とする。本年度はまず、すでにマウス始原生殖細胞から樹立されている多能性細胞株であるEG細胞を、生殖隆起体細胞と共培養した時に、この細胞が始原生殖細胞に分化している可能性があるかどうかをマーカー遺伝子の発現により調べた。その結果、始原生殖細胞で特異的に発現しているmVH遺伝子の発現が誘導され、始原生殖細胞としての性質を持つように分化していることが示唆された。さらにその効果は、すでに生殖隆起で発現していることを明らかにしている増殖因子Gas6により増強されることを見い出した。また、EG細胞を単独で培養した場合はGas6の効果は見られず、共存する生殖隆起体細胞を介した効果であることが示唆された。一方、新たな精原細胞株を樹立する目的で、当研究室ですでに得ているBcl-2を精原細胞で過剰発現するトランスジェニックマウスの精巣を解離後、STO細胞フィーダー上で培養した。培養後、生殖細胞特異的なTRA98モノクローナル抗体で染色し、生殖細胞数の経時変化を調べたところ、正常マウスでは培養開始後30日以降生殖細胞は消失したが、このトランスジェニックマウスの生殖細胞は45日まで生殖細胞が確認され、より長期間にわたって培養下で維持できることがわかった。さらに、精母細胞以降の生殖細胞を特異的に認識するTRA369モノクローナル抗体で染色した結果、培養開始後10日目で、10%程度の生殖細胞がこの抗体陽性の精母細胞に分化していることがわかり、Bcl-2トランスジェニックマウスの精原細胞は培養後も分化能を保持していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ohtaka, T. et al.: "Hematopietic development of the primordial germ cell-derived mouse embryonic germ cells in culture"Biochem. Biophys. Res. Commn.. 260. 475-482 (1999)

  • [文献書誌] Yoshimizu, T. et al.: "Germline-specific expression of the Oct-4/green fluorescent (GFP) transgene in mouse"Dev. Growth Differ. 41. 675-684 (1999)

  • [文献書誌] Toyoda-Ohno, H. et al.: "Members of ErbB receptor fyrosine kinases are involved in germ cell development in fetal mouse gonads"Dev. Biol.. 215. 399-406 (1999)

  • [文献書誌] Matsui, Y. et al.: "Apoptosis of fetal testicular cells is regulated by both p53-dependent and independent mechanisms"Mol. Reprod. Dev. 55 (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Toyooka, Y. et al.: "Expression and intracellular localization of mouse V asa-homolog protein during germ cell development"Mech. Dev.. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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