研究課題/領域番号 |
10558125
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
下岡 聡行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50196549)
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研究分担者 |
加藤 祐次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50261582)
山本 克之 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10088867)
清水 孝一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125322)
福島 菊郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70091486)
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キーワード | 光応用計測 / 断層イメージング / 短パルス光 / 分光計測 / 光CT / 散乱 / 生体計測 / 医用画像 |
研究概要 |
本研究は、医療応用をめざした光CT技術を具体化するため、光の多波長・短パルス化による体内情報の高度計測手法の実現ならびにその可能性を検証するシステムの開発を目的とする。これまでの成果に基づき、本年度は以下の研究を行った。 1.CT像再構成のための計測法の開発 散乱体中を直進伝搬した光成分(近軸散乱光)を効率よく分離抽出する方法を開発した。また散乱体中でも入射光軸に沿った経路の吸光度積分値を求める手法を開発した。 2.多波長・短パルス光CT実験システムの構築 これまでの基礎的検討の結果を受け、実験システムを設計・試作した。生体組織を模擬する物質を用いてシステムの評価を行った後、マウスやラットなど実験用小動物への適用を試みた。 3.システムの有効性の検証 開発した実験システムを用いて散乱体内の吸光度分布イメージングの実験を行った。その結果、短パルス光を用いない場合に比べ、再構成画像の空間分解能が大きく向上することが確かめられた。また時間分解計測により、従来非常に困難であった散乱体中の吸光度分布定量計測が可能となることが実証された。 4.深さ方向吸光度分布再構成法の開発 透過光の得られない生体部位においても光CT像を得るため、多波長の後方散乱光を用いて深さ方向の吸光度分布を再構成する手法を開発した。この手法に基づく実験システムを構築し、生体模擬ファントムを用いて吸光度分布再構成実験を行った。その結果、定性的には良好な再構成結果が得られた。 これらの研究をとおし、多波長・短パルス光を用いることにより、実験用小動物には当初計画どおりの光CTが、また人体用には後方散乱型光CTが可能であることを検証した。
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