| 研究分担者 |
片岡 則之 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (20250681)
林 美明 オリンパス光学工業(株), 光学機器開発部, 研究職
大橋 俊朗 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30270812)
松本 健郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30209639)
|
|---|
| 研究概要 |
細胞内部の微細構造の観察が可能な共焦点レーザ顕微鏡に原子間力顕微鏡を組み込み力学特性が同時計測できるようにするとともに,培養細胞に力学的刺激負荷が可能な装置を開発する目的で研究を行い,次の結果を得た.1.レーザ顕微鏡を初め各種の光学顕微鏡に組み込める型とするためカンチレバー駆動型とした.ステージ駆動型と異なり,コンパクトかつ可搬性が得られた.精度上において若干不利な点もあるが,Z軸方向の制御をコンピュータによりこの点を克服し,実用上問題のないレベルとなった.
2.試料ホルダーの製作を行った.てこの原理を利用して最大150μmの移動距離を確保した.ピエゾ素子による位置決めの制御をパーソナルコンピュータで行うためのプログラムも併せて開発した.
3.光てこ方式によるカンチレバー変位の計測法を開発した.光源としては半導体レーザを用い2分割フォトダイオードによって反射した光の位置を計測し,カンチレバーの変位を求めた.このためのコンピュータプログラムも併せて開発した.
4.当初,倒立顕微鏡への組み込みを行い性能試験を行う予定であったが,十分な基本性能を有していると判断されたため最初からレーザ顕微鏡へ組み込み,性能試験と一部流れ負荷実験を行った.その結果,培養細胞を用いて静的条件下でフォースカーブや形状計測の実験を試み,使いやすくかつ精度の高い計測が行えることが確認できた.さらに,流れ負荷実験を行った細胞についても同様の検討を行ったところ,せん断応力の負荷時間と共に細胞の力学特性が変化する現象を明瞭に計測することができた.
|
