研究分担者 |
石 芸尉 東北大学, 電気通信研究所, 講師(中核的研究機関
本郷 晃人 日立電線, オプトロシステム研究所, 研究リーダー(研究員
松浦 祐司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10241530)
馬場 一隆 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10192709)
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研究概要 |
人体に大きな負担をかける開腹手術,開胸手術,開頭手術などの外科手術にとって代わる治療として,人体のほんの一部に傷をつけ,内視鏡と組み合わせながら体内の手術・治療を行う「最小侵襲医療」は21世紀の医療にとって不可欠である.本研究では,そのキーテクノロジーとなっている,赤外レーザ光伝送装置の高機能化を達成することを目的とする. 本研究で対象となっている光伝送装置は,レーザ光源からターゲットまでの光装置にかかわる全てであり,「低損失化」と「治療ターゲットへの最適対応」を目標とする.本年度は下記の項目について検討を行った.1.レンズ付テーパー結合器の設計と製作 レーザからのビーム形状は多種多様である.それゆえ,任意の強度分布をもつレーザ光を効率良く中空ファイバへ導くためのレンズ付テーパー結合器の設計,製作を行った.その結果,低損失な結合器を実現するためのテーパー部への内装薄膜形成条件や,結合器の基本的特性が明らかになった. 2.各種固定ベンド出射光学装置の製作とその低損失化 歯科治療用Er:YAGレーザ用の出射光学装置である,固定一様曲がり導波路,折れ曲がり導波路等の製作と,その低損失化について検討した.ステンレスパイプの内面に誘電体薄膜を形成することにより,低損失かつ強固な出射光学装置を実現した. 3.中空導波路の低損失化 高出力レーザ光を伝送するための最適な内装誘電体について検討したところ,環状オレフインポリマーが優れた特性をもつことがわかり,実際に導波路を製作し,高出力レーザ伝送実験を行った.その結果,低損失性と耐パワー性を兼ね備えた導波路の開発に成功した.
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