研究課題/領域番号 |
10558132
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
近藤 隆 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40143937)
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研究分担者 |
梅村 晋一郎 株式会社, 日立製作所・中央研究所, 主任研究員
足立 伊左雄 富山医科薬科大学, 附属病院, 教授 (30151070)
田邊 清司 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (30293301)
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キーワード | 超音波 / 超音波造影剤 / フリーラジカル / アポトーシス / キャビテーション |
研究概要 |
超音波の薬剤効果増強に関して、1)周波数可変超音波発生装置を用いて細胞致死効果に関する周波数依存性および2)超音波造影剤による超音波誘発化学効果の増強機構について検討した. 1)超音波によるKIからのI_2遊離と胸腺細胞死について、4種類の異なる周波数の超音波(38KHz、0.5,1.0,および2.0 MHz)の影響を調べた.溶存気体としてArおよびN_2Oを用いた.キャビテーション気泡の崩壊温度が高いAr条件ではI_2遊離および細胞死とも2.0MHzを除く超音波で認められたが、低いN_2O条件では認められなかった.相対的に化学作用の寄与が高いのは0.5MHzであり、0.5MHz照射条件ではシステアミンによる細胞死の抑制効果を認めた.細胞死を調べたがアポトーシスの可能性は少ないと思われる. 2)ヒト血清アルブミンおよびガラクトースを主成分とする超音波造影剤AlbunexおよびLevovistを用いて超音波誘発化学効果を検討し、さらにSiO_2が主成分で化学的反応性を示さないEccospheresを用い比較検討した.AlbunexおよびLevovistはAr飽和条件での50KHz超音波誘発H_2O_2生成(・OH再結合による)を抑制した.Air条件下では超音波照射に対して比較的安定はLevovistはH_2O_2生成(・HO_2再結合による)を増強した. Eccospheresは両条件ともH_2O_2生成(・HO_2再結合による)を顕著に増強した.超音波造影剤は・OHの除去作用を有するが、その性質によっては・HO_2再結合によるH_2O_2生成を増強する可能性を示した.
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