研究課題/領域番号 |
10558134
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒木 勉 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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研究分担者 |
山崎 峰夫 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00220301)
東野 義之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40075023)
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キーワード | 顕微蛍光 / カルシウム指示薬 / 時間分解測光 / 細胞蛍光 / 組織蛍光 / 自己蛍光 / マイクロ波誘起プラズマ発光分析 / マグネシウムイオン |
研究概要 |
初年度の目標は、蛍光発光を利用してマグネシウムを中心とした細胞・組織内金属イオンの可視・定量化を図ることにある。そのために専用の高感度顕微蛍光画像測定システムの開発に着手した。顕微鏡下でえた微弱蛍光をイメージインテンシファイアで増強しコンピューターへ取り込む。酵母菌を蛍光染色したモデルで画像収集性能を確認した。次にカルシウム指示薬で細胞を染色し装置の定量性を検討した。これはマグネシウムをはじめとする各種指示薬へ発展するための重要なステップである。 次に反応環境を連続的に変化させた場合に実時間で蛍光画像を得るための第一段階として、内径25μmのキャピラリーチューブ内壁に酵母菌を付着させ、重金属イオン液を導通させた。細胞のミトコンドリアをあらかじめローダミンで染色し、ミトコンドリア膜電位の変化を蛍光画像の変化としてとらえる。その結果、キャピラリー内の金属イオン濃度によって細胞の蛍光が増減することが確認できた。この技術を単一細胞を用いたマグネシウムイオン検出へ適用すべく進めている。 さらに顕微吸光画像解析装置を開発し、ゾウリ虫をモデルとして細胞内酵素活性を定量することを試みた。その結果、従来溶液系でのみ論じられていた酵素反応速度定数を、細胞内反応においても得ることができ、細胞化学計測の定量性を確認した。 また、金属原子を直接定量するためのマイクロ波誘起プラズマ発光分析システムの開発にも着手し、血管組織カルシウムの定量を試みている。顕微蛍光分析と併用すれば、より高感度の金属分析が可能となる。
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