研究概要 |
本年度は昨年度に得られた結果を基にフードバックし、新たな材料設計と表面処理及びその評価を以下のように行った。 1.アセタール-ポリエチレングリコール/ポリ乳酸-メタクリロイルの合成(acetal-PEG/PLA-methacryloyl):カリウム3,3-ジエトキシプロパノールを開始剤としてエチレンオキシド、ラクチドを重合させ、無水メタクリル酸でメタクリロイル基を導入した。 2.acetal-PEG/PLA-methacryloylの自己組織化ミセルとコア重合:水中で透析する事によりコア・シェル型のミセルを調製した。さらに疎水性コア中のメタクリロイル基をラジカル重合し、安定ナノ粒子を調製した。 3.アルデヒドミセルの調製:上で得られたミセルの表面アセタール基を酸処理によってアセタールに添加した。 4.ミセル表面処理:アミノ基を有する表面へ還元アミノ化によってアルデヒドミセルを担持させた。 5.ミセル処理界面の生体適合性評価:材料表面に対するタンパク質の吸着抑制効果の検討を行なった。この際、アルブミンをモデルタンパクとして用い、検討を進めた。bicinchoninic acid(BCA)による吸光に基づく方法(マイクロBCA法)を利用してBSA吸着に関して検討したところ、処理前の機材に比べて極めてタンパク吸着の抑制された表面が構築されたことを確認した。
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