研究概要 |
表記システムの構築のために(株)キスラーの床反力計,(株)ニッタの圧力分布測定装置を用いて平成10年から研究を進め3年目を終えた、得られた研究成果を以下に示す. 足圧測定プログラムに関しては,複数の被験者に対する数試行分の平均化データにより、圧力中心位置の推移から個人差、足底部の接触面積の比較から左右差を確認した。 床反力計による測定データから,荷物を持ったときの滑り易さを調べた。個人差が大きく明確な関係を確認することはできなかったが、荷物を持つことにより滑り易くなることが確認された。また左右差も窺えた。 防滑性能の評価方法に関して,依然として有効な指標である摩擦係数を評価するためにアルミ製足形1足を利用した測定器具を製作した。また、歩行中の靴底の防滑性能を調べるため,腰部の加速度波形を測定して波形の変化から滑りの状況を把握してきた.昨年と同様に,主たる周波数成分の量的な比較で防滑性能の差違を表現できるかを検討した.その結果昨年と比べて相関係数など低くなったが、滑りに対する官能検査,素材の摩擦係数などと高い相関があることを確認した.そのことから客観的評価に利用しうる感触を得ることができた. なお、今年度は或る被験者に対する床反力測定、圧力分布測定を行い、滑り易い時機を特定し、その圧力分布状態から防滑材の配置を決定した。それに基づき防滑材を貼り付け防滑靴を製作した。その靴に対して前述した摩擦係数測定、加速度測定を行い防滑効果の評価を行ったところ全ての評価において最上位の結果を得た。
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