健康保持・増進のためには自分に合った適正運動量を知ることが大切である。簡単に適正運動量を知る方法として心拍数を指標にした「カルボーネンの式」が知られている。我々はこの計算式を利用して運動中の運動量が適正であるか否かを逐次音声指示する適正運動量指示装置を開発した。 本装置は94×32ドットマトリクスのLCD、[1][2][3][ENT]ボタンがパネル表面に設置され、運動中の心拍数データがフラッシュメモリーカード(CFカード)に記録でき、市販のパソコンを用いることにより心拍データの参照、加工ができる。運動者はディスポの心電図電極を胸部に装着する。電源投入後、CFカードを装置に挿入し、LCD画面と対話的に年齢、トレーニングレシオ、運動時間を3つのボタンで設定し、ENTボタンで確定する。安静状態を保つと自動的に安静時心拍数が確定する。次いでENTボタンの投入によりブザー音による運動量指示が開始され、適正運動範囲では1秒毎、過剰な場合は2秒毎、不足の場合は0.5秒毎にブザーが鳴動する。設定した運動時間が終了するとブザー音が停止する。また、本装置は任意に設定した上下限値を基準にした運動量を指示することができる。 開発装置の実用試験としてウォーキング、ステップマシン踏力、エルゴメータ等を本装置の音声指示に従って負荷した。トレーニングレシオを70、80、90、100%に設定して運動した結果、本装置の指示に従った運動と同時に測定した消費カロリーは良い相関を示した。また、CFカードの解析結果からブザー音に従った運動が実行されていることを確認できた。 本装置に関し、発明者坂口正雄、特許出願人長野工業高等専門学校長【発明の名称】心拍数記録型適正運動量指示装置として、平成12年2月8日特許出願された(出願番号:特願2000-30295号)
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