研究課題/領域番号 |
10558143
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
中山 泰秀 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (50250262)
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研究分担者 |
植田 初江 国立循環器病センター研究所, 病理部, 医長
中山 敦好 大阪工業技術研究所, 有機機能材料部, 研究員
大屋 章二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (80311447)
西 正吾 北野病院, 脳外科, 副部長 (30312226)
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キーワード | 光反応 / 経皮的治療 / ステント / 接着剤 / 塞栓剤 / 表面設計 / 循環器病 / 薬物徐放 |
研究概要 |
1.光硬化性軟組織接着(止血)剤の開発およびその内視鏡下手術への応用:ゼラチンやアルブミンの側鎖にスチレン基を導入し、これと水溶性重合開始剤として合成したカルボキシル化カンファキノンを混合した水溶液は、可視光照射により、速やかにゲル形成することを示した。基材となるゼラチンの分子量を減少させると硬化前の粘性を低下させることができ、光硬化により粘着性に高いゲル状態に変化させることができた。生体組織表面への接着性に優れていた。操作性・硬化性・接着性・毒性・分解性等の要求性能を満たす医療用接着剤として有望と考える。また、薬物などを容易に包埋可能であり、組織表面や内部でのin situでの硬化により薬物徐放担体として機能することが分かった。 2.血管内ラッピング剤および操作デバイスの開発:1で開発した接着剤は組織接着性に優れていたことより、血管内外面外面を光照射により被覆化することができた。また、内視鏡デバイスを改良することにより血管内での操作デバイスを開発し、その操作性を評価した。 3.塞栓治療用マイクロビーズの開発:光硬化性物質の有機溶媒中での懸濁状態において光照射を行うと、ビーズ状に成形できた。マイクロカテーテルと組み合わせ塞栓治療剤としての有効性を確かめた。 4.高機能ステントの開発:ステント表面に薬物を包埋したゲルを固定化することにより、薬物徐放機能を有する高機能性ステントが開発できた。再狭窄予防に有効と考えられる。 5.治療デバイス表面の精密光修飾技術の開発:可視光による表面グラフト重合法を開発し、複雑な形状をした成型加工されたデバイスの内部に生体適合性を付与することを可能にした。 6.細胞内への薬物移行の光制御技術の開発:光照射によりイオン解離しカチオン化するマラカイトグリーン基を有する光反応性高分子を合成し、薬物の細胞内移行の光スイッチング機能を有する光応答性薬物修飾剤への応用を検討した。
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