研究課題
基盤研究(B)
本研究は、磁気軸受と交流モータを一体化した、ラジアル型とアキシャル型の信頼性の高いセルフベアリングモータの開発と、それを応用した人工心臓の開発である。アキシャル型セルフベアリングモータは、1軸の浮上制御で非接触回転を目指すもので、制御系は簡便で人工心臓としては大きな魅力があるが、細長い形状となってしまう。一方ラジアルモータは、浮上制御には2軸制御が必要であるが、扁平なポンプが作製できるので体内埋め込みに適している。この2つの形式のセルフベアリングモータを発展させ、人工心臓ポンプとの融合をはかる。本年度の成果は、まず扁平で2軸制御ラジアル型セルフベアリングモータを開発し、その側面に遠心ポンプを取り付けるタイプの人工心臓ポンプを開発した。回転特性、2軸以外の受動安定性、回転特性をテストしたところ満足のいく性能であった。そこで水中でポンピング試験を行ったところ、人工心臓として満足のいくポンプ性能を示した。これらの成果は国内の学会および国際会議で発表し、高い評価を得ている。アキシャル型モータに関しては、1軸制御のみでは軸長が増大してしまうので、対抗する面にHB型の傾き制御磁気軸受を配置した実験装置を製作し、浮上特性および安定性の検討を行った。現在までに浮上と低速の回転には成功しているが、安定性が充分ではない。次年度以降改良を進め、満足のいくものにする予定である。セルフセンシングに関しては、作動トランス方式のセルフセンシングを考案し、検出回路を作製した。しかしアクチュエータとの干渉が問題で、これも改良を進める予定である。
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