研究課題
本年度は、昨年度に行った160mmの試験鏡による6Kまでの冷却試験の試験結果の解析をまず行い、全面にコートすることで、温度変化による変形を測定精度限界の0.1ミクロン以下に抑えられることを確認した。次に、本研究の最終目標である700mmびCVDコートの評価を行ったが、当初行っていた中央穴を利用した回転コートの方法では、中央穴付近に応力が集中し、正常なCVD膜を生成させることが困難であること及び膜厚の一様性を保つことが難しいことを明らかにした。このため、水平に鏡を保持し、応力の集中を抑える一方、コートを2度にわけて行う方法を試験し、膜厚の一様性も30%程度に抑えられることを確認し、この方法を最終的に採用することとした。同時に温度変化によるCVD膜と内部の多孔質部分との間の応力解析を行い、十分な強度があることを確認した。この方法でコートされた700mmの鏡は、現在研磨中である。この700mm鏡の低温試験の準備として、試験の手順を含めた常温での鏡の模擬試験の検討した。これらの作業と平行して、3種類の接着剤の低温強度試験と低温光学試験を行い、鏡の支持部に用いる接着剤の選定を行った。低温光学試験は上記の160mmの試験鏡を用い、光学特性への影響を調べた。2度の試験を行ったが、3種類の接着剤の特性に大きな差はなく、光学特性への影響は小さく、いずれも要求値を満たすものであった。作業性を考慮して、最終的にスタイキャストを採用することとした。
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