研究概要 |
高度情報化社会へ向けてめざましい発展をしているマイクロ波通信を支えるセラミックス共振器の特性の発現機構を結晶構造との相関から原子レベルで解明し、その材料の開発・設計を目的として研究をした。これまで、タングステンブロンズ型類似構造を持つBa_<6-3x>R_<8+2x>Ti_<l8>O_<54>(R=Sm,Nd,La)固溶体のマイクロ波誘電特性は、結晶構造とくに陽イオンの分布に大きく依存していることを明らかにしてきた。この固溶体の内、高い品質係数が得られているx=2/3組成x=2/3組成を端成分として、さらに優れた特性を持つ材料の開発を行った。このタングステンブロンズ型類似構造のx=2/3組成のうちR=Sm系の特性が最もよく、品質係数Q・f=10548GHz,τf=-11.3PPm/℃,εr=81.0である。温度係数をゼロにすることを目指して、温度係数が正の他の希土類元素系とくにR=Nd,Laとの固溶体系を検討した。Nd系及びLa系の温度係数は正であるので、温度係数ゼロの材料を設計した。その結果、Nd系ではy=0.2組成で、La系ではy=0.1組成で温度係数ゼロの材料を見いだした。
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