研究分担者 |
大塩 裕陸 住友化学工業, 生命工学研究所, 所長
川上 直人 明治大学, 農学部, 専任講師 (10211179)
神谷 勇治 理化学研究所, フロンティア, チームリーダー (30100051)
古屋 伸久 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (50244413)
駒野 照弥 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00087131)
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研究概要 |
オーキシン(IAA),アブシジン酸(ABA)やジベレリンなどの植物ホルモンが,植物の成長や分化・形態形成などに極めて重要な役割を果たしていることは周知のことである。本研究では,IAAとABAの生合成に関与すると考えられアルデヒド酸化酵素(AO)のクローニングに引き続き,有用作物への遺伝子導入による形質転換植物を創出することを目的としている。今年度は,シロイヌナズナでクローニングを終了した4種のAO遺伝子をセンスとアンチセンス方向に遺伝子導入した形質転換シロイヌナズナを作成しT3の種子をそれぞれ数ライン得た。これらについて,遺伝子の導入の確認,その表現型の変化,AO活性の変化について検討を加えた。現在までのところ,AO活性に変化が観察されるラインが確認できているが,形態的な変化は観察できていないため,引き続きより多くのラインで検討を加えている。 一方,これらの遺伝子のうち3種については,酵母の系で活性を有した状態での発現に成功し,シロイヌナズナで検出できているAO活性(電気泳動後の活性バンド)との対応が明確になった。その結果,それぞれの酵素の基質特異性や発現の器官分布などが分かってきた。こうした成果を背景に,特にIAAとABAの生合成に関与している可能性の高いAOに焦点を絞り,今後の研究を進める予定である。
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