研究課題/領域番号 |
10559020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
岡本 芳三 東亜大学, 工学部, 教授 (10194408)
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研究分担者 |
石井 敏満 日本原子力研究所, 室員
稲垣 照美 茨城大学, 工学部, 助教授 (90184712)
真喜 志治 東亜大学, 工学部, 講師 (70289297)
鴨井 新生 東亜大学, デザイン学部, 教授 (90233981)
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キーワード | リモートセンシング / 検出可能温度差 / 定量評価解析 / 欠陥 / 赤外線映像装置 / 機器構造物 / 診断技術 / 検出限界 |
研究概要 |
予備実験として、熱物性値の取得する目的で、対象する部材の調査と資料の採取を実施し、使用温度範囲内の比重、比熱のデータと赤外分光各領域における放射率、反射率およびそのばらつき等の諸物性値を取得した。つぎに、相似モデル実験として、石材、木材、モルタル、コンクリート等の劣化や空洞などの欠陥を有する試験片を作成し、これを構成部材や地中に埋め込み検出限界を求める実験を実施し、それぞれの試料についての検出限界深さを求める事が出来た。また、これらの結果を実施例の検出限界へ適用する可能性の検討と数値解析による定量評価を行った。 次に、各種の映像装置により取得した画像に関する検出可能温度差を示す特性値として最小検知温度差を規格に表示するために、使用材料に存在する欠陥を表示する映像上の温度差とその検出限界の間の関係を明らかにした。このため、既知の寸法の欠陥を持つ試料について空間分解能と検出可能の温度差などの特性を求めるため、100分の1度の温度差を発生する事の可能な微小温度差の試験試料を試作し、欠陥の検出限界を定量的に明らかにした。 つぎに、応用実施例による試験として、これまで定量的に捕らえ得られなかった機器構造物について、その劣化の進行個所についての可視および分光赤外線映像装置による連続計測を行い、その欠陥発生の機構を明らかにする現地試験を行った。また、建設物における熱環境を評価するための構成材料の輝度、温度の空間分布および損傷や劣化メカニズムを、可視および赤外線映像装置により連続計測し、劣化の発生と進展の基本的な機構を明らかにした。 建設および文化財構造物の部材について、太陽熱による日照および気温などの変化により異常劣化部の時系列的な連続計測を実施し、輝度、水分および温度などの時間経過を解析し、理論解析と比較した。その結果、隙間、ひび、腐食、結露および凍結による劣化の進行の系統的な定量的評価解析を可能にし、その成果を論文に発表した。
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