研究課題/領域番号 |
10559023
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
内藤 勲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (90000174)
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研究分担者 |
木下 篤 日立造船情報システムKK, 部長
宮崎 真一 国工地理院, 地理測地研究センター, 研究員
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシンク研究センター, 助教授 (30201495)
日置 幸介 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (30280564)
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キーワード | GPS / 水蒸 / 降水量 / GPS気象学 |
研究概要 |
国土地理院GPS観測網のルーチン解析から得られる可降水量の「バイアスと日変化ひずみ」の原因を解明するために、本年度は以下の作業を実施した。 まず、「バイアス」の原因を探るために、国土地理院GPS観測網のクラスター解析における基準点間の結合システムを精査した結果、クラスター間のGPS可降水量の違いは高々2mm程度で、しかも系統的特性を示さないことが明らかとなった。この事実はクラスター解析がバイアスの主要な源ではないことを示唆している。 次に、「日変化歪み」の原因を探るために、GPS可降水量とラジオゾンデのそれとの差と海洋潮汐荷重で引き起こされる鉛直変位との比較調査を行った結果、弱いながらもそれらの間に相関が存在することが明らかとなった。これは海洋潮汐荷重効果がGPS可降水量の日変化歪みの一つの原因であることを示唆している。今後、海洋潮汐荷重効果を考慮した解析を詳細に試みる必要がある。 以上の調査結果を米国のJPL/NASA、UNAVCO/UCARなどのGPS気象学研究者によって評価を受けた結果、これらの結果はおおむね妥当であるが、バイアスについてはさらに原因を解明する必要があるとのアドバイスを受けた。なお、バイアスの原因については米国でも究明中である。
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