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2000 年度 研究成果報告書概要

アリストテレスの科学的かつ弁証術的形而上学

研究課題

研究課題/領域番号 10610001
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 哲学
研究機関北海道大学

研究代表者

千葉 惠  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30227326)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
キーワードロギコース / ピュシコース / 本質 / 定義 / 論証 / 存在主張 / 形而上学 / 弁証術
研究概要

アリストテレスの体系の頂点に形而上学が位置する。これは存在としての存在を研究する存在論であり、また第一の永遠の不動の存在者を研究する神学でもあるが、「第一のものであるが故に普遍的である」という仕方で両者は総合される。彼の体系は壮大で緻密なカテドラルに比すことができる。尖塔は天界の証人として神学であり、基礎およびネイブは弁証術と自然学である。本研究は弁証術と自然学の相補性を方法論上明らかにしている。弁証術の方法と実践は区別されるべきであり、その方法は「弁証術的に(dialektikos)」にではなく「ロギコースに(形式言論構築上)」形成されていることを明らかにした。従来はこの二つの方法が区別されていなかった。そして存在の形式言論構築的な分析としての「ロギコース」という手法は自然学の探究のみならず、神の存在の探究にいたるまで用いられる手法であることを明らかにした。(報告書第一論文)彼の重要な形而上学的概念である「本質(toti en einai)」もロギコースに、非因果論的に論じられることを明らかにした。実体に自体的同一性が端的にあることがロギコースに主張される。ロギコースに自体的同一性として特定される本質を現実世界で因果論的に実現しているものの理解を可能にするものが質料形相論である。従来は実体の一性を構成する因果論上基礎的な特徴を本質として理解してきた。本質は形式言論上存在要請され、それを満たすものが自然のうちに因果論的に探究される。(第二論文)さらに、この因果論的展開を可能にし、弁証術と自然科学を架橋するのが彼の論証と定義の理論であることを明らかにした。因果性を明らかにする論証をソクラテス以来の「何であるか」の探究の延長線上に種々の定義を判別する定義論に組み込む様式を明らかにした。(第三論文)

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 千葉惠: "アリストテレス哲学における方法論"哲学雑誌. 113・785. 55-73 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 千葉惠: "アリストテレス弁証術におけるtotren einai(本質)"西洋古典学研究. XLVII. 76-86 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 千葉惠: "アリストテレスにおける本質の非因果論的解釈"北海道大学文学部紀要. 97. 1-51 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 千葉惠: "アリストテレス『分析論後書』における論証と定義"北海道大学文学部紀要. 101. 1-57 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Kei Chiba: "Methodology in Aristotle's Philosophy"Tetsugaku Zasshi. vol.113-785. 55-73 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kei Chiba: "Essence in Aristotle's Dialectic"Journal of Classical Studies. vol.XLVII. 76-86 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kei Chiba: "Non-Causal Interpretation of Essence in Aristotle"The Annual Report on Cultural Science. vol.97. 1-51 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kei Chiba: "Demonstration and Definition in Aristotle's "Posterior Analytics""The Annual Report on Cultural Science. vol.101. 1-57 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2002-03-26  

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