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1999 年度 実績報告書

アリストテレスの「エネルゲイア」論の心の哲学としての現代的意義の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610005
研究機関千葉大学

研究代表者

高橋 久一郎  千葉大学, 文学部, 教授 (60197134)

キーワードAristotle / De Arimg / Teleology / energeia / Physicu / Form / information / mind
研究概要

心がその一部である世界についての「理解のあり方」における心の占める位置についてのアリストテレスの立場と意義を確定するという本研究の全体としての狙いを遂行するためには、狭い意味での心の哲学のみならず行為や倫理的評価、さらには世界のあり方に関して重要な位置を占める「規範」的なものである「目的」概念の意義を明らかにする必要があるとの考え方もとづき、そのための作業として本年度は、現代の心の哲学において標準的な立場であると思われ、またしばしばアリストテレスがその先駆的形態を示しているとされる「機能主義」的なアリストテレス理解に対してバーニートをはじめとする何人かの古典研究者が提出した批判を検討する形での『霊魂論』のテキストについての分析と、目的論について本格的に検討すべく『形而上学』第12巻についての予備的な検討作業、そして現代の進化論的な生物学についてのサーベイ作業を行った。
これらの作業は、アリストテレスの心の哲学における「目的」概念は、『形而上学』や『政治学』において示唆されながら必ずしも十分な注意と関心が払われることのなかった宇宙論的な「目的」概念と、現代の進化論的な生物学ならば「適応」という概念で語るであろう「機能」についての考え方との「狭間」の微妙な位置を占めているとの見通しのもとになされている。倫理学的な問題と関連する形でなされた進化論的生物学に関する作業の一部は「「応用倫理学とは何なのか」と問う必要があるだろうか?」において、また世界の理解のあり方における「規範」的な枠組みの意義については責任論との関わりでその一部を「責任と情報倫理」において論じた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 高橋 久一郎: "「応用倫理学とは何なのか」と問う必要があるだろうか"川本隆史・高橋久一郎(編)『応用倫理学の転換』ナカニシヤ出版. 190-221 (2000)

  • [文献書誌] 高橋 久一郎: "責任と情報倫理"越智貢・土屋俊・水谷雅彦(編)『情報倫理学』ナカニシヤ出版. 76-107 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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