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1998 年度 実績報告書

「万有在神論」(Panentheismus)についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610027
研究機関聖学院大学

研究代表者

安酸 敏眞  聖学院大学, 人文学部, 教授 (40183115)

キーワード万有在神論 / Panentheismus / レッシング / プロセス思想
研究概要

本研究は「万有在神論」(Panentheismus)についての主題的な研究を意図しているが、その一年目としての平成10年度においては、「プロセス思想家」たちに焦点を当て、特にホワイトヘッドの主著Process and Realityを深く考察する予定であった。しかし資料の入手に予想外に手間取ったため、これについては次年度以降の課題とすることに急遽変更した。プロセス思想における「万有在神論」に関しては、本年度はカブのGod and the WorldとハーツホーンのPhilosophers Speak of.Godに絞って考察し、彼らの「万有在神論」が一般的にいかなる哲学的原理に基づいているかを学んだ。
他方では、本研究課題の直接の母胎としての筆者のレッシング研究が、国内外の学者の注目するところとなったので、その研究成果を二冊の書物として公刊することに力を注いだ。一つは『レッシングとドイツ啓蒙』であり、もう一つはアメリカ宗教学会のシリーズとして刊行予定のLessing on Christianity and Reasonであるが、両者ともレッシング宗教哲学の全貌を描きつつ、その最終章においてレッシングの「万有在神論」について掘り下げた論究をしている。『日本の神学』の巻頭を飾った論文「レッシングの神観」も同様の主題を扱ったものである。筆者の結論を簡潔に記せば、レッシングの神観・世界観はスピリチュアリスムスの伝統に連なるものであり、それは「ヘン・エゴー・カイ・パンタ」(hen ego kai panta)という彼のモットーに凝縮的に表現されている。それが示唆しているように、彼の「万有在神論」は“Panta-en-theismus"と表示されるべきであり、それは伝統的キリスト教とドイツ・イデアリスムスの橋渡しをする役割を果たしている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 安酸敏眞: "レッシングの神観" 日本の神学. 第37号. 9-32 (1998)

  • [文献書誌] 安酸敏眞: "レッシングにおける真理探求の問題" 基督教学研究. 第18号. 153-174 (1998)

  • [文献書誌] 安酸敏眞: "レッシングとドイツ啓蒙" 創文社, 428 (1998)

  • [文献書誌] Toshimasa Yasukata: "Lessing on Christianity and Reason" Scholars Press, 230 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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