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2000 年度 実績報告書

近代ドイツのニヒリズムの系譜

研究課題

研究課題/領域番号 10610032
研究機関埼玉大学

研究代表者

渋谷 治美  埼玉大学, 教育学部, 教授 (50126083)

キーワードショーペンハウアー / ニーチェ / ハイデガー / 価値ニヒリズム / ニヒリズム / 力の意志 / 意志の否定 / 現存在
研究概要

三年の研究期間の最終年に当たる本年度は、主にハイデガーの研究に当てた。存在(有)を探求した彼が「価値」に関してはニヒリズム(無)であったということができるかどうか、が研究の出発点であった。成果としては、(1)「無」を主題的に論じている文献として『形而上学とは何か』(1929)を再読、三読した結果、ここで語られている「無」はそのままニヒリズムにつながるものではないと判明した。とはいえ、<存在の現存在に対する存在仕方>としての「無」が現存在に不安をもたらす、という根本的な人間存在論を、価値ニヒリズムと呼ぶことは十分可能であろうと確信した。なぜなら、この不安は人間の根本的な存在無根拠を感知せしめるからである。(2)それと連関して、Vorhandenseinの有用性を一般的な意味で「価値」と呼ぶとすれば、ハイデガーの存在思想は、やはり価値ニヒリズムと呼ぶことができるであろう、と結論した。というのは、有用性とはひとつの存在者にほかならず、したがってそれ自体には意味も根拠もないからである。
これに加えて、三年間の成果のまとめとして、年度末に「成果報告書」を作成する。この間、この研究の促進の意味もこめて「ショーペンハウアー、ニーチェ、ハイデガー」の連関と差異を講義で取り上げてきたが、その講義ノート、資料、メモをもとにして、原稿用紙で200枚を検討にまとめてみたい。それをいったん印刷・製本し、研究の友人等に配布して批判をあおぎ、将来の上梓に向けてのステップとしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 渋谷治美: "カントとドイツ観念論における価値ニヒリズムの問題"2000年度第51回日本倫理学会提題集. 50. 38-45 (2000)

  • [文献書誌] 竹内整一,古東哲明 編(共著): "ニヒリズムからの出版発"ナカニシヤ出版. 262 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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