A.基本的視座 景観形成という場面を設定して、間主観的美学の可能性を追求する。ここには近世美学のパラダイムの転換を促す課題が含まれている。 1)単独立観的monosubjektiv文化としての近世美学には、その美的体験にはどこまでも「私の」という単数型人称性が貼りついていた。未来の美学では「私たちの」という複数型一人称が主語となる。間主観的美意識としての景観の構造の解明。 2)近世美学の特徴は無関心性あるいは静観性。未来の美学ではふたたび「よくある」というモラル的**と融合して、関心あるいは参加が基本的姿勢となる。 B.原理論的研究 空間・時間形成に関する現象学的、美学的研究をおしすすめる。 1)空間構成に関する現象学的研究 2)フォルムの基本的構造に関する研究 3)価値に関する研究 以上は学会誌で報告した。 C.臨床心理学的研究 広島市、東広島市の景観形成、環境形成に焦点を当て、日本国内では、盛岡、金沢、花巻、東野、堺、徳島、下関、大分、別府、鹿児島の各都市を、海外ではポーランドのグダンスク、ワルシャワ、クラクフの3市を視察調査した。基本的要件として、人口、行政、経済、自然、交通、文化、モラルをあげた。
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