1930年代から40年代の日本に於けるセザンヌ論形成の根拠となった欧米のセザンヌ論や近代美術論の調査と収集を行うために、パリとロンドンに滞在しパリ大学美術史教授ジャン・クロード・レーベンシュテイン氏、オルセイ美術館図書館司書イザベル・カーン女史に研究内容を口頭説明し批判検討、意見交換を計り情報提供を受けた。またこれに基づいて資料を収集した。 さらに『シリーズ近代日本の知第4卷芸術』(晃洋書房)発行のために京都大学で8月行われた研究会で「美術批評と芸術理論-1910-20年代の京都」と題して発表し当該研究に関して議論した。11月には、東京国立分化財研究所の研究会に招聘され「1910-20年代の人格主義セザンヌ像形成の思想及び美術制作の文脈」と題して発表し、同館研究員とこのテーマを巡って議論し意見交換を行った。2月には、愛知県立美術館で開催中の「セザンヌと日本展」を記念して講演会に招待され「セザンヌと日本」と言うテーマで講演した。
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