平成10年度-13年度にかけて蒐集した資料、1922年1月から1947年1月までの美術雑誌を網羅的に調査し、蒐集したセザンヌ論を熟読し、論点ごとに整理し、カードを作成した。カードに従って、データ入力した。全体を、1922年1月から1929年12月、1930年1月から1939年12月、1940年1月-1947年1月に分類し、それぞれ解題を作成した。 2001年7月28日には、国際日本文化研究センター助教授、稲賀繁美氏に、「モーリス・ドニと日本」と題して講演会を依頼した。講演会は、公開性とし、西洋美術の受容研究に関心を持つ、関西在住の研究者とともにディスカッションの機会を設けた。 また、9月22日には、国際交流基金文化人短期招聘として、テキサス大学教授、モダニズム研究センター所長、リャード・シフ氏を京都にお招きし、京都工芸繊維大学で、「モダン・アートに於けるデジタル体験」と題して、講演会を依頼した。もちろん、公開性とし、関西在住のモダン・アート研究者との活発な議論の場を設けた。また、本科研のテーマに関して、シフ教授とデイスカッションし、ご教示を受けた。 平成12年度7月21日に実施した、独立行政法人文化財研究所美術部第二室長田中淳氏の講演会原稿、平成13年度実施の稲賀繁美、シフ氏講演会原稿と併せて、私自身の論文も、科学研究費報告書(小冊子A4約100頁)に、収録し、多くの方々の研究に資するよう配慮した。科学研究費報告書には、上記4本の論文の他、セザンヌ文献表、関導年表も収録し、平成10-13年度、4年間に渡る研究の成果をとりまとめ公開した。 平成13年度は、スイス、ドイツヘの調査旅行を計画していたが、9月の「ニューヨーク同時多発テロ発生のため、海外渡航を断念し、これを、国内での資料収集、そして、国際交流基金で来日中のシフ教授とのディスカッションに切り替えた。
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