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1998 年度 実績報告書

17世紀フランドルの「花環の聖母子」-図像の成立と展開および受容-

研究課題

研究課題/領域番号 10610058
研究機関京都大学

研究代表者

中村 俊春  京都大学, 文学研究科, 助教授 (60198223)

キーワードフランドル絵画 / ヤン・ブリューゲル(父) / ルーベンス / 静物画 / 聖母子
研究概要

本研究は、平成10年度から12年度までの3年間にわたる継続研究として進められている。研究の対象は、17世紀の初頭にフランドルで成立した「花環の聖母子」と呼ばれる図像であり、研究の目的は、花の静物画の流行と対抗宗教改革期の礼拝像に対する高い受容という、当時の芸術的ならびに宗教的関心が複雑に交錯した絵画形式として、この図像が有する種々の特殊性を明らかにすることにある。
初年度の本年は、主としてヤン・ブリューゲル(父)作の「花の静物画」並びに「花環の聖母子」の作品目録の作成を試みた。基本となる資料はクラウス・エルツの総絵画目録であるが、この目録の作品の編年については専門家たちから反論が出されており、また刊行後に発見された作品もある。そこで、新規に購入したパソコンを用いて、作品の写真を画像として入力するとともに、個々の作品に関する文献資料情報を整理した。この目録化の作業はまだ完成していないものの、ブリューゲル(父)の研究対象となる作品については、ひとまず基本的な資料の整理ができた。
ところで、「花環の聖母子」は、花環を静物画家が、その中の宗教的人物像を人物画家が描くという、二人の画家による共同作業として制作されることが普通である。そこで、ヤン(父)がルーベンスとしばしば共同制作を行ったことに着目して、二人の共同制作の経緯を伝える当時の文献資料を収集、整理した。また、国立西洋美術館が所蔵するダニール・セーヘルスとコルネリス・スフートが共同制作した「花環の駆母子」について調査し、具体的な制作過程の解明を試みた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中村俊春: "ルーベンス作《戦争の惨禍》-マルスとヴィーナスに関する説話・富意・図像表現の伝統からの考察-" 西洋美術研究. 1. 49-82 (1999)

  • [文献書誌] 中村俊春: "美術史と鑑定-絵画作品の作者推定の問題を中心に-" 芸術学を学ぶ人のために(世界思想社). 31-54 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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