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1998 年度 実績報告書

風俗表現から見た近世絵画の特質についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610059
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

並木 誠士  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50211446)

研究分担者 佐藤 美貴  三重県立美術館, 学芸員
森 理恵  京都府立大学, 人間環境学部, 助教授 (00269820)
山岡 泰造  関西大学, 文学部, 教授 (50067576)
キーワード風俗画 / 小袖 / 食風俗 / 誰ヶ袖図 / 浴中洛外図
研究概要

平成10年度の活動の中心は、代表者及び各分担者の従来の研究を踏まえたうえでの作品調査と論文、学会発表というかたちでの発表であった。以下に本年度の活動を略述する。
代表者・分担者の勤務の関係で、合同で調査できたのは、平成10年9月の泉屋博古館調査のみであった。泉屋博古館では、[二条城行幸図][誰ヶ袖図][扇面散・農村風俗図][近江風俗図][祇園祭礼図]などの屏風を調査した。これらはいずれも江戸時代初期の風俗画であり、狩野派正系と思われる作品からいわゆる町絵師と思われる作品まで幅が広く、この時期の風俗表現を考える上で貴重な調査であった。泉屋博古館の屏風は同館においても未調査の作品が多く、その中には近世初期の風俗画が多く含まれていることが分かったため、次年度も継続して同館の風俗画の調査をおこなうこととなった。なお、[扇面散・農村風俗図]については並木が次年度に研究発表をおこなう予定である。
並木は、風俗画成立の要因を室町時代後半に顕著になってきた飲食の情景の絵画化に求めるという視点から、「近世初期風俗画の源流としての酒飯論絵巻」と題して広島芸術学会において口頭発表した(99年3月末『藝術研究』第12号に投稿予定)。これは、本研究の基調をなすものである。作品調査としては、広島県立美術館、石川県立美術館において、それぞれの所蔵する風俗画を調査した。山岡は、東京国立博物館、富山県勝興寺、京都妙心寺退蔵院、京都府八幡市某寺で、いずれも洛中洛外図の調査をおこなった。その成果の一端は、[研究発表]欄記載の2論文として発表した。森は、徳川美術館所蔵の桃山・江戸時代の染織品の調査をおこなうほか、99年1月には、美術史学会西支部例会において「上杉神社所蔵「雪持柳模様胴服」について」として発表した。佐藤は、東京国立博物館調査、サントリー美術館、三井文庫および京都市個人宅で誰ヶ袖図の調査をおこなった。誰ヶ袖図研究の一端は[研究発表]欄記載の論文にまとめた。
以上の調査により、次年度以降研究をまとめていくにあたって必要な資料が獲得できた。今後も、資料収集とそれをまとめる作業を平行しておこなってゆく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 山岡泰造: "妙心寺退蔵院の建築および障壁画の調査報告書" 関西大学博物館紀要. 4. (1999)

  • [文献書誌] 山岡泰造: "絵画史における中国と日本(3)" 東西学術研究所紀要. 32. (1999)

  • [文献書誌] 佐藤美貴: "「誰ヶ袖図」の成立過程に関する考察" 美学. 194. 24-34 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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