本年は初年度であったので、研究対象であるトプカプ宮殿美術館所蔵の宮廷画帳の基礎的な資料収集を行った。研究実績は以下のように分類できる;(1)データーべース作成の準備 画帳の詳しいデーターを作成するために、コンピューターによるデーター ベース作成を行うが、それに先立ち実際の作品の状態、トプカプ宮殿美術館のこのプロジェクトに対する意向を把握するために現地に赴いた。 トプカプ宮殿美術館における調査研究は9月11日から25日の期間に、研究分担者である小柴はるみ教授と行った。研究対象作品の傷みが激しいため、H.2153の画帳に関してはデーターベース作成のための準備に美術館の所有するモノクロ写真(原寸大・全ページ)を借り、コピーをとった。このコピーをもとに、帰国してからデーターベースに必要な項目の設定を行った。また次回現地で行うコンピューター作業をスムースに進めることができるように、絵画と書、計約1800点に通し番号を付けた。 (2) トプカプ宮殿美術館でのその他の作業 画帳に収められている多数の絵画、文様、デッサンの中から、個別研究テーマにするものを選択した。 (3) カタログ作成に関する打ち合わせ。 画帳研究のプロジェクトを本格化するために、館長のフィリーズ チャーマン女史と打ち合わせを行った。画帳のカタログ作成と研究書発刊に関して、トルコ側の研究協力者の選択など具体的な方針を定めた。数回のシンポジウム開催を決めた。 (4) 研究会の開催。 画帳に関心のある研究者数名で4回研究会を行った。情報交換を行いながら、2000年
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